2009年大会INDEX
国際シンポジウム パネリスト、コディネータープロフィール

【パネリスト】発言順



ジョン・リンゼー・ポーランドさん
(アメリカ)

第一次世界大戦に反対してつくられたキリスト教主義の平和団体である友和会のアメリカ支部で、米軍基地問題やラテン・アメリカにたいする米国の政策を担当しています。とくに、アメリカで海外の米軍基地に反対する全国的なネットワークづくりに尽力し、米国で史上はじめて開催された、外国の米軍事基地に反対する会議「帝国抜きの安全保障:外国軍軍事基地に関する全国会議」(09年2月〜3月、ワシントン)で、ジョセフ・ガーソンさんらとともに中心的な役割をはたしました。これまで、米国内の運動では海外に展開する自国(米国)の基地をめぐる問題は必ずしもクローズアップされていなかっただけに、こうした動きは重要な発展であり、ポーランドさんは、世界の平和の流れとオバマ政権の誕生のもとでの米国の対外政策、国民の世論と運動の変化をリアルに語ってくれることでしょう。2007年に結成された外国軍事基地撤去国際ネットワークの国際調整委員もつとめます。



イ・ジュンキュさん
(韓国)

労働者対案社会学習院講師(東アジア国際政治担当)、平和共感研究委員。03年に広島を訪れ、05年から原水爆禁止世界大会や3.1ビキニデー参加するなど、韓国の反核運動の発展と、日本の運動との連帯のために尽力してきました。日本語も堪能で、日本の政治・社会・歴史・運動についても広い知識をもっています。北朝鮮の核問題をめぐっては、「朝鮮半島と東アジアの歴史の文脈で捉えなければならない」「その根本的な解決を朝鮮半島の平和体制構築、東アジアの冷戦構図の解体から探さなければならない」と、示唆にとんだ分析と政策的提案を行っています。日本政府の外交政策については、これまでも「日米軍事同盟神聖化」の問題点を鋭くついてきましたが、「安保と基地」の問題についても、韓国の運動の視点からの発言が期待されます。オバマ政権のもとでの米韓同盟も興味深い討論テーマとなるでしょう。



ハネロア・トゥルケさん(ドイツ)

ドイツ平和評議会・全国評議員。最近のドイツの反基地、反核運動の発展にとって欠かすことのできない役割をはたしています。「戦争ノー、NATOノー」をかかげたNATO結成60周年の国際共同行動(09年4月5-7日、フランス、ストラスブール)では、国際会議・全体総会でコーディネーターをつとめました。07年にはドイツでひらかれた主要国首脳会議(G8)にさいしての市民対抗行動で、外国軍事基地問題の分科会を主宰するなど、ドイツ国内はもとより、ヨーロッパの市民運動のなかで基地反対運動を位置づけるために尽力してきました。また、原水爆禁止世界大会にも度々参加し、世界大会がよびかけた核兵器廃絶署名も、憲法九条と在日米軍基地の資料も掲載したパンフにして普及をはかるとともに、日本の平和活動家のツアーを受け入れるなど、日本とドイツの運動の連帯にも重要な貢献をしてきました。現在、ボン市の市議会議員(左翼党)もつとめています。



コラソン・ヴァルデス・ファブロスさん
(フィリピン)

日本平和大会や原水爆禁止世界大会にも度々参加するなど、日本でも良く知られたフィリピンの反核、反基地運動のリーダーです。今回はフィリピン・ストップ戦争連合と外国軍事基地撤去国際ネットワークを代表しての参加です。ストップ戦争連合は、イラク戦争とそれを支援するアロヨ政権に反対して立ち上げられたフィリピン最大の反戦ネットワークで、労働組合、女性団体などが幅広く参加しています。ミンダナオでは事実上、米軍が常駐した軍事作戦が展開され、住民も重大な被害をこうむり、米兵による女性への性犯罪も深刻化しています。ストップ戦争連合は、基地被害の根絶、米軍との軍事協力と戦争に反対する活動を全国で展開しています。コラソンさんは、外国軍事基地撤去国際ネットワークでは、アジアを担当する国際調整委員であり、沖縄、横須賀など各地のたたかいとの連帯、軍事主義に反対し、女性の人権を守る運動の国際連帯にもとりくんでいます。



川田 忠明さん
(日本)

日本平和委員会常任理事。20年以上にわたって世界の平和運動との交流を重ねてきました。07年3月の外国軍事基地撤去国際大会(エクアドル)では国際準備委員をつとめ、アジア・太平洋地域の米軍基地問題について報告。08年4月の世界平和大会(ベネズエラ)では、全体総会報告者として日本の反核反基地運動を紹介し、同年6月のG8サミット市民対抗行動(ドイツ)、09年4月のNATO60周年国際共同行動(フランス)では、基地問題の分科会でパネリストをつとめました。07年日本平和大会(沖縄)の国際シンポジウムではパネリストとして、米兵の性犯罪に焦点をあてた報告をおこなうなど、ジェンダーと軍事主義の問題についても発言しています。戦争と文化の関係も研究テーマとしています。著書に『それぞれの「戦争論」』(唯学書房,2004),”Neue Kriege in Sicht” (共著,Jenior Verlag,2006),『名作の戦争論』(新日本出版,2008)など。日本平和学会会員。


 

【コーディネーター】



布施 恵輔さん
(日本)

全国労働組合総連合常任幹事・国際局長。98年から全労連事務局員。青年部書記次長を経て「核兵器なくそう世界青年のつどい」準備委員会事務局長(05年〜06年)など、青年の平和運動の広がりのために役割を担ってきました。06年7月から現職。原水爆禁止世界大会運営委員もつとめています。労働者・労働組合の国際連帯や多国籍企業とのたたかいのほか、日本の米軍基地や被爆の実相を知らせるために世界の労働組合と交流を進めています。